裂肛(切れ痔)

 硬くて太い便が無理矢理肛門を通過した場合に、肛門の出口付近が切れて(裂けて)起こります。初めてでも痛みが続くことで来院される方と繰り返して痛みが取れなくなって来院される方があります。通常、繰り返して傷が治るたびに肛門が狭くなり、傷が慢性的に存在している事が多いようです。

裂肛の図画像

症状

 排便時の激しい痛みと、紙に付く程度の少量の出血が見られます。裂肛が慢性化してしまうと傷口は深い潰瘍状になり、強い痛みが排便後も続くようになります。排便が怖くなり便秘となって悪循環を繰り返すことになる事が多いようです。

治療

 初期は排便のコントロールや食事、肛門の清潔と保温の保持などの生活指導から開始します。慢性症例や症状が強い場合には外用薬や坐薬を用います。しかし、こうした手術をしない保存的治療で効果がない場合や、肛門ポリープなどの合併症がある場合には、手術を行います。やはり入院の上で腰椎麻酔下に行い、10日間から2週間の入院が必要となります。