大腸内視鏡検査について

(一般に「大腸カメラ」と呼ばれています)

 大腸内視鏡検査はその機器の進歩と挿入技術の工夫と改良によって最近では胃の内視鏡と同じように簡単に行えるようになってきています。検査時間も早い方で3分間から5分間で、また処置などを行う場合でも15分間から20分間で終了できるようになってきています。
お腹の手術を受けている方で、癒着などがありますと難しい場合もありますが、それでも30分前後で終了できるようになってきています。通常は、気分をリラックスして楽に受けていただくために軽い安定剤を使うこともありますが、最近では毎年行っている方々で外来で検査を行う場合など患者様によっては、安定剤なしで行い検査後すぐに車の運転もして帰っていただくことが出来るようになっています。

 大腸内視鏡検査では、胃の検査と比べ、その準備がやや煩雑です。前日に便になりにくい検査食を食べていただき、下剤を飲んでいただきます。また、検査当日には病院に来ていただいた後、下剤入りのお水を飲んでいただきます。これは、せっかくの検査を安全確実に行うためのもので、さらに見落としのない検査のために必要であることをご理解下さい。
最近では、小さなポリープなどは発見次第に入院なしでも切除することも可能になってきており、そのためにも便が残っていない完全な検査を心がけています。
 ちなみに、最近の10年間の大腸内視鏡検査件数は14,455件でした。平均では1,400件強となりますが、実際には10年前は824件で、その後徐々に増え、ここ数年では毎年1,600件から1,800件と増加してきています。また、大腸ポリープや早期大腸癌の切除件数は10年間に1,417件でした。これも10年前はわずかに15件でしたが、毎年徐々に増え、最近の数年は毎年150件から200件と増加しています。

 これだけの数の患者様がお腹を大きく切ることなく、病気から開放されているのです。しかし、患者様が病院の門を自らくぐっていただかない限り、こうした技術の進歩の恩恵に浴することは出来ません。便秘や下痢といった便通の異常や血便などでお悩みのあなた、思い切ってそして安心して寺田病院の扉を叩いて下さい。


 以上、「大腸内視鏡検査」についてでした。皆様の健康を願います。